『攻防編16 ~相手の動く瞬間を読む‟勘(かん)”と俊敏さを身につけろ!~』
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勝利の秘訣【攻防編】16

『相手の攻撃を避けるだけでは勝つことが出来ない。大切なのは相手が攻撃しようと動いた瞬間に、こちらも動いて素早く間合いを詰めて相手の攻撃を封じつつ、こちらが攻撃を入れることだ!』

【解説】

《攻防とはなにか?》

『攻防編』の内容は、他のカテゴリーに比べると難易度は高いと思っています。
その理由は、武道初心者の方は「攻防とはなにか」ということがよくわかっていないからです。
武道初心者(武術初心者)の方で、やっと基礎技をある程度マスターして組手練習が出来るようになると、「使いたい技」「覚えた技」を使いたがるのです。
えっ!
覚えた技を使っちゃだめなの?
そうではありません。
真の攻防は相手がいるもの。
しかし初心者の方は独りよがりの闘い方をしてしまうのです。
つまり、相手の態勢、相手の反応、相手の動きに対しての攻防ではなく、自分がしたいことだけする闘い方となってしまうのです。
要するに、自分中心となってしまうということです。
自分の好きな技をだすのは楽しいかもしれませんが、闘いとは‟相手”がいるものです。
決して、自己陶酔の闘い方をしてはいけないのです。
それが理解できないと「練習の王様(基本技の練習は立派という意味)」で終ってしまい、「勝負の勝利者」とはならないのです。

《練習量に比例して強くなる》

法則的なことを言うと、武術(武道)というものは、練習量に比例して強くなるものです。
基本的に先輩はあなたよりも経験が長いので、当然あなたよりもたくさん練習しています。
だから、あなたより強い(上手い)のです。
しかし、同じ時期に入門した人ではどうでしょうか?
そこには個人の資質(才能や体力)が影響していることは当然ですが、まったく同じ日に入門した人たちの間でも法則が働きます。
それは「練習量=強さ(上手さ)」です。
だから強くなりたかったら、上手くなりたかったら、他人よりも多く練習することです。
これが強くなる道、上手くなる道の王道なのです。

《負け地獄から抜け出すには?》

「相手の攻撃を避けるだけでは勝つことが出来ない」

当たり前と思うでしょう。
でも、武道初心者(武術初心者)の方は、自分よりも上手の相手と対戦(組手練習含む)すると、どうしても「防御一辺倒」になってしまうのです。
相手の攻撃を避けるのに必死、相手の動きが予測できない、という状態になってしまうのです。

先輩や上級者と組手練習したり試合したりすると、攻防どころか相手の攻撃を避けるだけで精一杯になる。
もっというと、相手の攻撃を避けなれずに攻撃をもらってしまう。
そして敗北感に打ちのめされる。
敗北が続くと自信を喪失する。
自信がなくなるから練習に情熱がこもらない。
当然、練習量は多くはならない。
そしたまた敗北する、という負の連鎖から抜け出せない。
こうした方が多くいると思います。
この負けの連鎖から抜け出すにはどうしたらいいか?
答えは「言うのは簡単、やるのは難しい」という言葉のなかにあります。
「練習量を増やす」しかありません。
ではどんな練習をすればいいのか?
どんな課題に取り組めばいいのか?

《チャンスを生かすか殺すか》

その答えはこれまでも多く語りましたし、これからも語っていきますが、「攻防」を考える上で重要なことがあります。
それは相手が構えている状態のときは隙が無い、ということです。

相手が上級者(強い相手)であろうとも闘う術(すべ)はあります。
それは「相手が攻撃しようと動いた瞬間を狙う」ことです。
‟瞬間”ですよ。
いわゆる「後の先」です。
ですから、相手の後手になってしまっては意味がありません。

強くなるためのポイントは「攻撃するタイミングをつかむこと」です。
チャンスは「相手が攻撃しようとして動いた瞬間」または「攻撃してきた一発目(初手)の最中」です。
初心者の方はこれをよく頭に叩き込んでください。
そしてボクシングのシャドーのように相手が目の前にいると思ってタイミングをつかみ動く練習をしてください。
同時に実際の組手で行ってください。

ですから、「俊敏さ」が鍵となります。
「タイミングを読む勘(かん)」が必須となります。

相手が攻撃してきて連打してきてからでは遅いのです。
最低でも初手(一発目)で対応しなければなりません。
相手の連打攻撃(2発目、3発目)が出る前に反撃するのです。
初心者のかたは防御で手一杯になって反撃が出来ずに相手を調子にのせてしまい、その結果やられてしまうのです。

「相手が動いた瞬間」または「相手が初手(1発目)を出したとき」に反撃するのです。
これを見につけなければ試合の勝利者とはなれません。

攻防とは、「不利な状況を極力なくし、有利な状況を作り出すこと」です。

普段から心掛けて練習してください。

《まとめ》

初心者の方は独りよがりの闘い方をしてしまう。
闘いとは‟相手”がいるもの、自己陶酔の闘い方をしてはいけない。
武道初心者(武術初心者)は、「防御一辺倒」になりがち。

「練習量に比例して強くなる」=武道の法則(武術の法則)。
「練習量=強さ(上手さ)」。

攻防のポイントは、「相手が攻撃しようと動いた瞬間を狙う」「攻撃してきた一発目(初手)の最中に反撃する」。
強くなるためのポイントは「攻撃するタイミングをつかむ」こと。
よって、「タイミングを読む勘(かん)」を養い、「俊敏さ」を身につけよ!

攻防とは、「不利な状況を極力なくし、有利な状況を作り出すこと」

攻防編16

『相手の攻撃を避けるだけでは勝つことが出来ない。大切なのは相手が攻撃しようと動いた瞬間に、こちらも動いて素早く間合いを詰めて相手の攻撃を封じつつ、こちらが攻撃を入れることだ!』

押忍!

『攻防編17 ~攻防の転換点とはなにか?~』

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