『心得16 ~「負ける」ことは谷底、谷を越えればまた勝利が見えてくる!~』
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心得16

『強くなるには負けることも必要。悔しさが飛躍へのバネになり、負けた敗因を克服することで勝者への道へ入れ!』

【解説】

《負けることも必要?》

「強くなるためには負けることも必要」?
なぜ?
と思いましたか?

逆に質問します。
連戦連勝して無敗の人がどれだけいるでしょうか?
いることはいますね。
しかし、不敗神話を作る人は天才(天賦の才の持ち主)であり、大多数の人には関係の無い話なのです。
ましてや武術(武道)初心者の方が、考えることではないのです。

ただし、一度も勝ったことが無い、負けてばかりだ、という方にとっては「負けることも必要」なんて言われても、腹を立てるしかないかもしれません。

そういう方には、勝つためにどれだけの努力をしたのか?
他人の何倍も練習したのか?
「自分は才能が無い」などと言い訳をしていないか?
ということを考えてみることです。

運動神経の差、反射神経の差、格闘センスの差、確かにあります。
しかし、それを凌駕するものがあるのも真実です。
それは「努力」です。
「努力」ということを安易に考えている人には永遠に勝利は味わえないでしょう。

話しを戻します。

なぜ、「強くなるためには負けることも必要」なのか?
それは連戦連勝であると、本来課題として取り組まねばならない盲点に気がつかないからです。
盲点を見抜かれ、それが欠点となったときに敗れるからです。

ですから、以下のように言えるのです。

負けたからこそ、自分の戦い方を振り返ることができる。
負けたからこそ、いままで気がつかなかった欠点を発見できる。
負けたからこそ、己の未熟さを実感できる。
負けたからこそ、謙虚になってさらなる努力を誓える。
負けたからこそ、「勝利の味」への憧れが強くなる。
だから、負けることで強くなれるのです。

ただし、「負けを負けと認める」ことが必須です。
素直に誠実に負けを認め、下を向いていた顔を上にあげるからこそ、勝利を目指せるのです。
負けを負けと認めない人が成長することはありません。
負けを「負けじゃない」と誤魔化す人はさらなる敗北が待っています。
負けを負けと素直に受け入れた人には敗因が見えてくるのです。
敗因が見えるということが次の勝利へと繋がっていくのです。

《負けることが飛躍のバネとなる》

「負ける」、プライドの高い人には受け入れがたい事実です。
いつも負けていたらきっと「負け癖」がついているでしょう。
負け癖とは、内心で「どうせまた負ける(勝てない)」という深層心理です。
そして、実際に試合に出て負けると「やっぱり負けたか」となるのです。

しかし、「試合に負けても自分に負けるな」という言葉を覚えておいてください。
人によっては一度の負けではなく、二度の負けをする人がいるのです。
一度目の負けとはもちろん「試合で相手に負けること」。
二度目の負けとは、「失望感にとらわれてしまうこと」です。
一度目の負けは仕方がありませんし、勝敗をいまさら覆すことはできません。
しかし、二度目の負けは覆す必要があります。
この二度目の負けを繰り返している人が「負け癖」のある人です。

負けても勝利を掴む人は二度目の負けを克服するのです。
重要なことは、勝ち続けることは、怠慢や油断につながることが多いのです。
しかし、負けることで気持ちが引き締まり、練習内容に改善がかかり、欠点(盲点)を自覚して対策を立てることで必ず成長することができます。

この時に大切なことが「失望感に負けない」ことですが、それには「悔しさをバネとする」ことです。
悔しさを持つことは決して悪いことではありません。
相手への憎しみまでいくと明かに悪(あく)ですが、負けたことへの悔しさは飛躍のためのバネとなります。

要するに、「負けること=悔しさを胸に刻むこと」はスプリング(バネ)が沈む現象と同じ効果を持つのです。
バネはいったん沈むからこそ飛躍できるのです。
飛躍のためには沈む必要があるのです。
別な言い方をすると、「負ける」ことは「成長のための促進剤」なのです!

《敗因の探求が未来の勝利を導く》

悔しさだけではいけません。

なぜ負けたのか?
どうすれば勝てたのか?

それを必ず負けた回数に応じて考えることです。
つまり、敗因の分析は未来の勝利のためには必須なのです。

負けたからこそ気づく自分の欠点や改善点があるからです。
もう一度言います。
負けたからこそ気がつくことが出来るのです。
勝ち続けていた場合気がつかない事の方が多いのです。
勝ち続けてなお、自分の見えない欠点や盲点に気がつく人は天賦の才の持ち主です。
無敗の人にも欠点や盲点はあるのです。
しかし、その欠点や盲点を敵(相手)が気づく前に自分で知り、それに先手を打って克服してしまう。そうなると欠点や盲点がないように見えるのです。
これが最善の戦い方です。
ですが、実際には全知全能の人間など存在しません。
第三者に負ける前に自分の負ける要因を消してしまうからこそ勝ちを続けることができるのです。

「勝負は時の運」という言葉は、最大限の努力をしていない人間の台詞です。
「勝負は時の運」という言葉は、負けた敗因を考えない者の戯言です。

真の勝者は、「負けた者の悔しさを胸に刻んで勝利を受け入れる者」です。
「負けたからこそ勝利した」と言えるように努力することです。

《まとめ》

「強くなるためには負けることも必要」
負けを知らないと、本来課題として取り組まねばならない盲点に気がつかないから。
盲点を見抜かれ、それが欠点となったときに敗れる。
負けを負けと認めない人は成長することはない。
負けを「負けじゃない」と誤魔化す人はさらなる敗北が待っている。
負けを負けと素直に受け入れた人には敗因が見えてくる。
敗因が見えれば未来の勝利への道が開ける。

「試合に負けても自分に負けるな」
一度目の負けとはもちろん「試合で相手に負けること」。
二度目の負けとは、「失望感にとらわれてしまうこと」。
一度目の負けは覆すことはできないが、二度目の負けは覆す必要がある。
「悔しさをバネとする」=負けたことへの悔しさを飛躍のためのバネとする。
「負ける」ことは「成長のための促進剤」。

なぜ負けたのか?
どうすれば勝てたのか?
敗因の分析は未来の勝利のためには必須。
「負けたからこそ勝利した」と言えるように努力する。

心得16

『強くなるには負けることも必要。悔しさが飛躍へのバネになり、負けた敗因を克服することで勝者への道へ入れ!』

押忍!

『心得17 ~強さを誇らず謙虚に鍛錬する者こそ最強となる!~』

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