『技術編6 ~蹴り技を上達する方法は、「軸足」と「腰」の使い方にあり!~』
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勝利の秘訣【技術編】6

『蹴り技は、軸足と腰の使い方が大事。素早く軸足に体重を移動し、バランスを取り、腰でコントロールする。すべての動きを蹴り脚に集約しろ!』

【解説】

《蹴りで重要なのは軸足》

武術(空手や拳法など)で、初心者が難しいと感じるのは「突き」よりも「蹴り」でしょう。
その理由は、「バランス」を片足で取らねばならないからです。
突きは両足を地につけて出す技ですが、蹴りは片足でバランスを取って行う技だからです。
しかも、上体も反らしたりすることもあります。

つまり、蹴り技とは、片方の脚がバランスを取る役割をし、もう片方の脚で攻撃するところが初心者にとっての難しさとなっています。
ただ、バランスさえ体感してしまえば、あとはそれほど苦労しません。

しかし、多くの人が誤解していると思われることがあります。
(流派や武術の種類にもよる)
それは、「蹴り技」で重要なのは、「蹴っている脚」ではなく、「体重を支えバランスを取っている軸脚」だということです。

実際の指導ではなく、文字情報として伝えるには限界がありますが、蹴り技で重要なのは、自分の身体の体重移動であり、軸足に体重がのっていることであり、バランスをしっかりとっていることなのです。
要するに、「軸がぶれない」ことなのです。

さらに軸足をバネのようにすることで蹴り脚に力を注ぐ技術もあります。
武術初心者の人は、どうしても蹴る方の脚ばかり気にしますが、うまく蹴り技が出せないと思ったら、「軸足」に注意を向けてみてください。
軸足に体重がのっていないとバランスを崩すため、蹴り脚に力がはいりません。

蹴り技を出すときの注意点として「軸足のかかとを浮かす」ことをしっかり身につけてください。
軸足のかかとが地についていると、軸足が回転しません。
軸足が回転しないということは、腰が回っていないということです。
腰が回っていないということは、脚の力だけで蹴っているということです。
それでは蹴り技としては威力半減なのです。

《蹴りは腰から》

前項で「腰を回す」という話をしました。

蹴り技の基本は軸足に体重を乗せてバランスを崩さないこと

かかとを浮かすことで腰を回転することができることです。
蹴り技の力の源は「腰」なのです。

よく空手で「脚」だけで蹴っている人がいますが、それは正しい蹴りではありません。
もちろん、鍛えていれば脚だけの力でも威力はある程度ありますが、正しい武術としての技としては「腰から蹴りを出す」なのです。
そう、突きも蹴りも腰からだすものなのです。
要するに、武術の技の中心であり力の源はすべて「腰」なのです。

特に回転系の蹴り技の場合は、腰から力を発するということが重要となります。
蹴り技の力は軸足に体重をのせる(体重移動)ことで腰から力を発信し、すべての力を蹴り脚に集約する技なのです。
蹴っている方の脚だけの力だけではダメなのです。

《蹴りの威力を強くさせるのは上体の動き(反動)》

蹴りにも「直線的な蹴り」と「回転系の蹴り」があります。
前蹴りなどは腰も大きく回転させることはないし、上体は反らしません。
それでも、「腰から蹴り脚を出す」ということを意識することで、蹴り脚に入る力が増します。
そして難しいのは回転系の蹴りだと思いますが、その理由は軸足に重心をのせるだけではなく、上半身でもバランスを取る必要があるからです。
つまり、回転系の蹴りとは「軸足」「蹴り脚」「上半身(腕を含む)」と身体の全部を使用するので難易度が高くなるのです。

蹴りは腰から力を発する、と言いましたが、それに力を加える技術が「上半身で反動を生み出す(つくる)」という技術です。
つまり、「蹴り脚と逆方向に上半身を反らす」ことで蹴り脚に反動の力が生まれるのです。
「腕」を蹴り脚と逆に動かすことでも反動を生む出すことができます。

このように、蹴り脚は身体の各部がそれぞれ違った役割(動き)をしつつ、それが特定の方向へ集約された力となるという技術なのです。

《蹴り技が不得意人の特徴》

蹴り技が不得意の人の特徴は、以下の通りです。

「股関節が硬い=柔軟ができていない」
「軸足に重心を取ることができていない=バランスを取れない」
「腰が動いていない=腰から蹴っていない」
「上半身が動いていない=反動をつけていない+バランスが取れていない」

基本的に、蹴り技には「身体の柔軟性」「軸足で重心をしっかりと取るバランス感覚」が求められます。

蹴り技を得意としたければ、股関節などの柔軟をしっかりと行い身体を柔らかくすることです。
身体が硬い人は蹴り技をだすときにスムーズに体重移動ができません。
バランス感覚を養うために「片足で立つ訓練」をするといいでしょう。
そのとき、足先から頭の天辺まで一本の軸が真っ直ぐ貫いている感覚を意識してください。
軸がぶれてしまったら、必ずバランスを崩します。
バランスを崩すということは、蹴り技の力が半減すると思ってください。

《まとめ》

「蹴り技」で重要なのは、「蹴っている脚」ではなく、「体重を支えバランスを取っている軸脚」
蹴り技の基本は軸足に体重を乗せてバランスを崩さないこと

蹴り技を出すときの注意点=「軸足のかかとを浮かす」
かかとを浮かすことで腰を回転することができる

蹴り技の力の源泉は「腰」=「腰から蹴りを出す」

回転系の蹴りは「軸足」「蹴り脚」「上半身(腕を含む)」、身体の全部を使用する
「上半身を反らす」または「上半身を引き手のように使う」ことで蹴り脚に反動の力を加える

蹴り技には「身体の柔軟性」と「軸足で重心をしっかりと取るバランス感覚」が求められる
よって、蹴り技が不得意な人、蹴り技をもっと上達したい人は、柔軟で各関節を柔らかくし、軸足に重心を取る(バランス)訓練をすること

技術編6

『蹴り技は、軸足と腰の使い方が大事。素早く軸足に体重を移動し、バランスを取り、腰でコントロールする。すべての動きを蹴り脚に集約しろ!』

押忍!

『技術編7 ~呼吸を制する者は武術を制す!~』

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