『試合編3 ~「諦める気持ち」が敗北を呼ぶ!~』
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勝利の秘訣【試合編】3

『勝負は最後の一秒まで諦めるな。諦めることこそ敗北なり』

【解説】

《実力者、必ずしも勝利者とはならず》

東京五輪の開催が決まりましたが、空手及びテコンドーの日本選手はメダルを獲得できるでしょうか?
今回は、武道選手にエールを贈る意味で、『勝利の秘訣「試合編」』をお送りします。

空手や格闘技の試合において、「実力の差で勝敗が決まる」または「勝敗とは実力次第」だと勘違いしている方がいませんか?

確かに実力があるかないか、どれくらい差があるか、ということは勝敗を決定する大きな要因であることは間違いありません。
ですが、「実力があればそれだけで勝てる」と思っているのなら、それは“勘違い”だと言っておきます。

では、「運」か?
「運も実力の内」というのは確かです。
ですが、その運を呼び込むのは何でしょうか?

人の心は磁石のような作用を持っています

選手は、「勝利のイメージを持つ」「勝つことを強く願う」などの心境で試合会場に足を踏み入れることでしょう。
ですが、トーナメント戦を勝ち上がっていく選手は猛者たちです。
実力の差は、一回戦目、二回戦目となるにつれて徐々に差がなくなっていきます。
すると、どうしてもいままでのような楽な勝利はできず、苦しい闘いが展開されます。
場合によってはライバルに敗れることになります。

そのときにいったい何が起きているのか、何が勝利を呼び寄せるのか、ということが重要なのです。

《敗戦濃厚な試合における心理戦》

トーナメント戦を勝ち上がると実力の差がなくなっていきます。
すると当然ながら“ちょっとしたミス”が致命的な敗因となり、また拮抗した実力の相手に自分の実力を100%発揮できなければ、試合における実力発揮という差で敗北することになります。

そうした緊迫する試合になにがあるのか?

それは「相手選手に負ける前に、己の心に負けている」という精神状態です。
それは「負けるかもしれない」という不安、「勝てない」という焦り、「どう責めたらいいんだ」という迷い、「ダメだ」という悲壮感、などです。

これらの精神状態に陥ると己の実力を発揮することはできません。
試合における運をひきつけるには、実力以上の力(動き)を発揮する必要がありますが、上記の感情や思考に陥ると、相手に負ける前に己に負けた状態となります。
心はイメージしたものをひきつけるのです。

要するに、「リードされてこのままでは負ける」という敗戦濃厚な試合展開を逆転するにはある精神状態が必要なのです。

それは「諦めない」という精神状態です。

ここで言う「諦めない」という精神状態とは、「負けを考えない」「敗北を認めない」「負けることをイメージしない」というプラス思考(プラス感情)のことです。
勝利するためには、「なんとか勝利への糸口をつかむ」「逆転は有り得る」「勝つ方法はある」「なんとしてでも勝つ」という“勝利への確信”に似た精神エネルギーを出すことによって逆転を生み出すことが可能となります。

この己の精神における攻防に負けた者は、己の100%以上の力を発揮することは出来ず、己の戦闘力を逆に低下させてしまうのです。
ですから、単純に実力だけで勝敗は決まらないのです。

《本当の勝敗とは?》

要は、試合の勝敗とは別に“己と己の闘い”があるのです。
己の闘いに負けた者は、たとえ試合に勝っても、武術者として勝利者とは呼べません。
その証拠に、そうした状態で勝っても嬉しくありません。
悔しさが大きく胸の中にこだまします。

やはり、「勝利者の法則」というものがあるように思えるのです。

その法則とは、「諦めない者が勝つ」「勝ちたいという気持ちが上回った者が勝つ」という法則です。

ですから、相手より「勝つ」という気持ちにおいて上回っている必要があります。
人の心は磁石ですから、「負け」を心で思った瞬間に、「勝ち」は逃げていきます。

いくら相手にポイントで有利に立たされても、決して「負けるもんか!」「逆転してやる!」という強い気持ちを持てるかどうかが、重要なのです。
そうした己の弱い心に負けないことが、勝利をひきつけるのです。

つまり、心(精神)が「勝つ」ことだけを考えるか、「負ける」という感情を許してしまうか、という精神の葛藤に勝利することが大切だということです。
いかにして劣勢にある状況において、「勝つことだけを考えられるか(思えるか)」ということです。

武術者にとっての「本当の負け」とは、「諦めること」です。

《まとめ》

「実力があればそれだけで勝てる」と思っているのなら、それは“勘違い”。
人の心は磁石のような作用を持っている。

「リードされてこのままでは負ける」という敗戦濃厚な試合展開を逆転するには「諦めない」という精神状態が必須。
「なんとしてでも勝つ」という“勝利への確信”に似た精神エネルギーを出すこと。

要は、試合の勝敗とは別に“己と己の闘い”があるのです。
己の闘いに負けた者は、たとえ試合に勝っても、武術者として勝利者とは呼べません。

「勝利者の法則」=「諦めない者が勝つ」「勝ちたいという気持ちが上回った者が勝つ」
武術者にとっての「本当の負け」とは、「諦めること」。

試合編3

『勝負は最後の一秒まで諦めるな。諦めることこそ敗北なり』

押忍!

『試合編4 ~試合会場に潜む魔物を遠ざけ、天を味方につけて勝利する!~』

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