
勝利の秘訣【技術編】9
『武術はリズムだ! リズムとは技の流れだ! リズムはタイミングを作り出す! よって、身体でリズムを刻み、相手のリズムを壊せ! さらにリズムを自由自在に操れ! リズムを自由自在に刻めば闘いは楽しくなる!』

【解説】
《武術はリズムが肝心!》
武術家の資質として「リズム感」があります。
初心者の初心者たるゆえんは、技の動きがリズムカルではないことです。
技と技のつなぎが途切れ途切れであったり、リズムそのものがないことがあります。
音楽ではないのだから、武術(武道)にリズム感は必要ない、などというならば、その人は永遠に武術の何たるかを知ることはできないでしょう、と言っておきます。
人間の身体をよく考えてください。
脈拍、心臓の鼓動、常に一定のリズムに従って働いています。
自然界は?
1日は24時間、1年は365日(閏年は+1日)、実に規則的であり周期的なリズムを刻んでいます。
人間も同じなのです。
よく武道家に「規則正しい生活習慣」が求められます。
規則正しい生活とは、生活に関するリズムなのです。
規則正しい生活をすることで、まるで正確に時を刻む時計のように身体を整えるのです。
リズムとは武術にとって血脈みたいなものです。
技を技として成立させ、技と技の連係を作り出す。
ですから、武術(武道)を極めようとするならば、リズム感は必須なのです。
ただし、リズム感といっても音楽でいうところのリズム感とは違いますが。
武術とリズミ感の関係を言うと、「リズム感が悪い人は実力も劣る」ということです。

《武術におけるリズム感とは?》
では、武術(武道)におけるリズム感とはなんでしょうか?
ここでは2つ取り上げます。
1.「リズムとは技と技の連係」
2.「リズムはタイミングを生み出す要素」
〈技と技の連係〉
武術(武道)におけるリズム感とは、「技と技の連係を生み出すもの」です。
技の連続性において自然に、無駄なく、効率よく連続技を発生させるものです。
この際に、重要なことがあります。
・身体の軸がしっかりとれていること。
・体に無駄な力み(りきみ)がないこと。
・動いたときにバランスを崩さないこと。
こうしたことができてこそリズムが生まれます。
KOルールとポイント制ルールでは試合運びに違いがありますが、基本的に一発だけで勝つことは至難の業です。
ですから、当然の帰結として技は連続して出すことが勝つためには必要となります。
連続的な攻撃をする際に技と技の連係や技の選択が上手くいかないと、どうなるか?
必ず隙が生まれます。
隙が生まれれば、カウンター攻撃などの反撃をもらいます。
ですから、連続攻撃では必ず相手が反撃する余地を作ってはいけないのです。
そのために必要なのがリズムなのです。
リズムがない連続攻撃は隙が生まれるからです。
要するに、武術(武道)におけるリズム感とは「技の流れ」と思ってください。
〈タイミングを作り出す〉
もうひとつ、武術(武道)におけるリズム感で重要なことが「タイミングを作り出す」ことです。
どんな強力な突きや蹴りであっても、攻撃のタイミングがズレてしまえば意味がありません。
「いま、この瞬間だ!」というチャンスを見つけ瞬時に動かねば勝利することはできません。
そういった意味で、リズムとは「攻撃のチャンスを見切る目」の役割をも果たすものです。
この「タイミング」とは、攻撃と防御の両面から語れるのです。
攻撃の意味を作るリズム感とは「有効な攻撃のタイミングを掴む」ことであり、作り出すことです。
逆に防御の意味を作るリズム感とは「相手の攻撃のタイミングを崩す」ことです。
攻撃するタイミングをずらすだけで、相手は攻撃に転じることが出来なくなります。
《リズムの2面性》
武術(武道)におけるリズムには相反する2面性があります。
己のリズムとしては、「リズムを自由自在に操り相手を翻弄する」ことです。
その反面とは、「相手のリズムを壊す」ことです。
こちらはリズムカルに動き、相手にはリズムをつかませない。
これが戦いの常道です。
調子のいいときは、決まってリズムを持って動けているはずです。
逆に調子がでないときは、決まってリズムが狂っているはずです。
ですから、リズムを普段の練習時から作り出す訓練をし、試合においてリズムを掴む努力が勝利への道となります。
リズムがない連続攻撃は隙が生まれ反撃される。
武術(武道)におけるリズム感とは「技の流れとタイミング」。
リズムオンチは武術オンチだと思ってください。

《まとめ》
武術家の資質として「リズム感」がある。
武道家の基礎の基礎は「規則正しい生活習慣」。
(規則正しい生活とは、生活に関するリズム)
規則正しい生活をすることで、正確に時を刻む時計のように身体を整えられる。
「リズム感が悪い人は実力も劣る」
武術(武道)におけるリズム感とは、「技と技の連係を生み出すもの」+「タイミングを作り出す」。
技の連続性において自然に、無駄なく、効率よく連続技を発生させるもの。
リズムとは「攻撃のチャンスを見切る目」の役割をも果たす。
攻撃の意味を作るリズム感とは「有効な攻撃のタイミングを掴む」こと。
防御の意味を作るリズム感とは「相手の攻撃のタイミングを崩す」こと。
己のリズムを自由自在に操り相手を翻弄し、相手のリズムを壊す、それが戦いの常道。
武術(武道)におけるリズム感とは「技の流れとタイミング」。
リズムオンチは武術オンチ。
技術編9
『武術はリズムだ! リズムとは技の流れだ! リズムはタイミングを作り出す! よって、身体でリズムを刻み、相手のリズムを壊せ! さらにリズムを自由自在に操れ! リズムを自由自在に刻めば闘いは楽しくなる!』
押忍!