
勝利の秘訣【試合編】2
『トーナメント戦は一回戦が最も大事。一回戦を決勝だと思って闘え』

【解説】
《トーナメント戦は一回戦が最も大事》
多くの武道団体の試合方式が「トーナメント戦」であると思います。
すでに優勝候補、または実績のある歴戦の猛者は別ですが、武術(武道や格闘技)初心者にとっての試合において重要なことは、初戦(一回戦)です。
自分に自信があったりすると、トーナメントで勝ち上がっていくことを想像する方もいると思います。
よほど才能に恵まれた人は別ですが、大抵の人にとって重要なのは、「初戦(一回戦)をいかに勝利するか」なのです。
たとえ優勝できなくても、二回戦で敗れたとしても、一度は勝利の味を味わった人と、一回戦で負けて一度も勝利の味を味わわなかった人では、今後のモチベーションにも差が出てきます。
できれば、一度は勝利の味を味わいたいものですよね!
ですが、初心者が心掛けることは、矛盾しているかのように聞こえるかもしれませんが、「先のことを考えない」です。
先のこととは、二回戦、三回戦、それ以上のことです。
この話は、ある程度、熟練になっている人(試合経験が豊富な人)、はじめから優勝候補にあがっている人、秀でた才能がある人は別です。
ですが、初めて試合する人、試合経験が少ない人にとっての試合とは、『一回戦が最も大事であり、一回戦を決勝だと思って闘う』なのです。
いくら優勝を目指しても、一回戦で勝利しなければ、優勝など夢のまた夢で終るのです。
《なぜ、戦略的にトーナメント戦を闘ってはいけないのか?》
では、なぜ武術初心者の人がトーナメント戦を戦略的に考えてはいけないのか?複数回あるトーナメント戦(勝ち上がった試合)を勝ちあがるつもりで、優勝を目指して試合に臨むと何が起きるか?
トーナメント戦(勝ち上がった場合)を勝ち上がるつもりで戦略イメージを持っていると、起きることがあります。
それは、「体力温存」「得意技(最終武器)の温存」「ケガを恐れた全力を出さない闘い方」です。
もし、これをして勝てる相手ならば、実力において格下の相手なので、勝って当たり前です。
問題は、同等の力量のある相手、格上の相手です。
「決勝戦までの体力を残す」
「決勝戦にあがるためにケガを恐れて消極的な試合をする」
「全力でいかずに最大の武器を隠して(温存して)闘ってしまう」
こうした姿勢は初心者の方がすることではありません。
今後の成長にも影響がでます。
こうした姿勢で試合に臨むと、不思議なことが起きます。
それは本来、実力が同等の相手、または格下の相手に負けてしまうのです。
なぜか?
それは簡単なことです。
心のどこかに温存戦術があると、全力を出したつもりでも全力が出ていないのです。
そのとき、その人が出せる力量の80%~99%くらいになっているでしょう。
しかし、全力で闘う相手は、100%以上の力を発揮することが多々あります。
拮抗した実力の場合、全力で闘った方が勝利するのが勝利の方程式です。
ですが、心のどこかに温存戦術があると、自分は全力で闘っているように思っても、本当は全力をだしていない現象が起きてしまうのです。
なぜなら「心は潜在意識に従う」からです。
そして、試合結果は負け、たとえ勝ったとしても満足のいく結果(試合)ではない、ということが起きてしまうのです。
《初心者の闘い方は「各個撃破」》
何が言いたいのかというと、次の試合がないと思え、今が決勝戦だと思って全力で闘え、ということなのです。
それが武術初心者の闘い方です。
初めての試合、経験の浅い人は、戦略的にトーナメント戦を闘おうと考えてはいけません。
武術初心者の試合における大切な心得であり、闘い方は『各個撃破の戦術』なのです。
目の前の一試合、一試合を全力で闘い勝利することです。
つまり、「体力、技などの温存を考えずに一回戦からすべてを出し切って闘え」ということなのです。
もっと言うと、「今が決勝戦だと思って、闘え」ということです。
2回戦、3回戦の対戦相手に、自分の得意技を見られてしまう。
ケガをして不利になってしまうかもしれない。
そうしたことは考えないことです。
トーナメント戦で一番緊張するのが、一回戦のはずです。
そして、トーナメント戦において一回戦で勝利しなければ決勝進出なんてあり得ないのです。
決勝のことは、決勝戦に残ったときに考えろ!
優勝のことは優勝したときに実感しろ!
ということです。
目の前の一試合に精神を全集中し、自分の持っているすべての力を出し切ることです。
それが初心者の闘い方です。
《まとめ》
武術(武道や格闘技)初心者にとっての試合において重要なことは、初戦(一回戦)。
優勝を目指しても、一回戦で勝利しなければ、優勝など夢のまた夢で終る。
「心は潜在意識に従う」
心のどこかに温存戦術があると、全力を出したつもりでも全力が出ていない。
武術初心者の試合における闘い方は『各個撃破の戦術』
「体力、技などの温存を考えずに一回戦からすべてを出し切って闘え」
「今が決勝戦だと思って、自分の持てるすべてを出し切って闘え」

試合編2
『トーナメント戦は一回戦が最も大事。一回戦を決勝だと思って闘え』
押忍!