勝利の秘訣【攻防編】20
『まずは相手の一撃必殺の技を外せ! 一撃をかわすと同時に攻撃を入れろ。考えるな。相手の動きのすべてを感じろ。防御即反撃!』
【解説】
《ワンステップ上の技術を修練する》
今回は、武術初心者には少し難易度が高い内容です。
最低でも中級者から上級者くらいの実力(経験)が必要と思われます。
ですが、初心者の人もいつかは上級者になるわけですから、事前に学ぶことは大切なことです。
そもそも武術の修練は、いまある実力より高い技を修練することの連続です。
初心者は中級レベルの技を修練し、やがて中級者に。
中級者は上級レベルの技を修練し、やがて上級者に、と。
つまり、常にワンステップ上の技を修練することで実力がついてくる、ということです。
《相手の一撃必殺の技を見抜く問題意識を持つ》
「相手の一撃必殺の技を外す!」
これができれば勝利は近づきます。
これができれば無敵にもなれます。
しかし、これがなかなか出来ないのが多くの武術者(武道者)の率直な感想ではないでしょうか?
なぜならば、相手に技を決められるということは、大抵の場合、相手は得意技の中の最も得意の技で決めてくるからです。
つまり、上級者以上の者には、ほぼその人なりの「一撃必殺の技」があるのです。
上級者になればなるほど、自分の一撃必殺の技で決めようとするのです。
「一撃必殺の技をかわす」ということは、こちらが有利になることであり、こちらが決めるチャンスを掴むことでもあるのです。
相手にとっては、不利な状況になる、ということなのです。
しかし、問題は相手の「一撃必殺の技」が何であるのか? ということです。
人によっては一撃必殺の技を複数持っている場合があるからです。
それでも一撃必殺の技を使わない人は稀なので、大抵の場合、ここぞ!という瞬間に使用してきます。
その攻撃をよけられたら逆に有利になるのです。
重要なことは、常に相手と対戦する際に「この人(選手)の一撃必殺の技は何だろう?」と疑問を頭の中に入れておくことです(そういう意識を持つこと)。
疑問を持たないことに対しては、答えは出てきません。
疑問を持っていない人の場合、答えが出る場合は、一撃必殺の技をくらってしまった後です。
ですから、あとの祭りなのです。
意識しないことは現実化しないことを理解してください。
「相手の一撃必殺の技は何か?」という問題意識を持つ。
それが重要です。
《一撃必殺の技を外せば、そこに隙(チャンス)が生まれる》
なぜ、一撃必殺の技をかわすことを意識しなければならないのか? その理由とは?
それは相手にとって一撃必殺の技の技とは「決め技」です。
「決め技」であるということは、その技に自信があるということです。
決め技をことごとく外されて精神的ダメージを受けない人は稀でしょう。
そして重要なことは、一撃必殺の技を外した後は必ず隙が出来る、ということです。
相手にとっては自信の一撃ですから、それで“決める”と思ってその技を出していますので、それが無効になってしまうと刹那の時間の意識の空白が生まれます。
つまり、反撃のチャンスなのです。
「相手の一撃必殺の技を外すと同時に必ず反撃する」
相手の精神的ダメージは他の技を外されるよりも大きいということです。
相手の一撃必殺の技を出した後は必ずほんのわずかの隙が発生するのです。
ほんのわずかって、どれくらい?
1秒もない刹那の瞬間です。
《考えるな! 感じろ!》
「相手の一撃必殺の技を外す」という点において重要なことは“対峙しているとき”と“戦闘状態に入っているとき”とで意識を切り替えることです。
相手の一撃必殺の技を意識しろ(疑問を持て)ということは、ある意味で考えるととらえる人が多いでしょう。
たしかに考えることでもありますが、その比重は「感じる」でなければなりません。
相手の一撃必殺の技を見抜こうと意識することと考えることは似て非なりなのです。
相手の一撃必殺の技は対峙中に考えて分かるものではないのです。
実際に戦ってみなければ分からないものなのです。
それは「動物的(本能的)に嗅ぎ分ける」という表現が近いでしょうか。
重要なことは自分の潜在意識に「相手の一撃必殺の技を見抜く」と言い聞かせておいて、戦闘中には「感じる」ことです。
相手の動き、癖、パターン、距離(間合い)、駆け引きのやり方などを「感じる」ことです。
考えるのではなく、感じるのです。
本能で感じるのです。
それが重要です。
本能を研ぎ澄ますことです。
研ぎ澄まされた本能を解き放つために潜在意識に命令することが「相手の一撃必殺の技を見抜くと強く思う」ことなのです。
「考えるな。相手の動きのすべてを感じろ。防御即反撃!」
この言葉を合言葉にすることです。
《まとめ》
上級者以上の者には、ほぼその人なりの「一撃必殺の技」がある。
相手の「一撃必殺の技を外す」ということは、こちらが有利になることであり、こちらが逆に決めるチャンスを掴むことでもある。
問題は相手の「一撃必殺の技」が何であるのか?
一撃必殺の技を外した後は必ず隙が出来る。
だから、「相手の一撃必殺の技を外すと同時に反撃する」。
“対峙しているとき”と“戦闘状態に入っているとき”とで意識を切り替える。
「対峙しているとき」➡相手を分析する、戦術を練る、という点において考える。
「戦闘状態に入っているとき」➡闘いの本能で感じる。
相手の一撃必殺の技は対峙中に考えて分かるものではなく、実際に戦ってみなければ分からないもの。
闘いの本能を研ぎ澄ます!
攻防編20
『まずは相手の一撃必殺の技を外せ! 一撃をかわすと同時に攻撃を入れろ。考えるな。相手の動きのすべてを感じろ。防御即反撃!』
押忍!