『攻防編17 ~攻防の転換点とはなにか?~』
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勝利の秘訣【攻防編】17

『一度防がれた技や攻撃パターンは二度と使うな! 防がれなくても同じ技、攻撃パターンが二度通用しなかったら、攻撃技、攻撃パターンを変えろ! 相手によって通用する有効な技や攻撃パターンは違うもの。常に相手の弱点を探し、常に相手の得意な技と攻撃パターンを潰す(出させないことを考えて対戦しろ!』

【解説】

《攻防の転換点》

「一度防がれた技や攻撃パターンは二度と使うな!」

と、言われても多くの方が、同じ技や同じ攻撃パターンを使用しているのではないですか?
特に初心者の方はそうでしょう。

この場合の防がれた技とは「得意技」であり、防がれた攻撃パターンとは「得意な攻撃パターン」であることは言うまでもありません。

得意技とは、自信の源、勝利の源泉、自己のアイデンティティ。
どうしても自分の得意技や得意な攻撃パターンに頼ってしまいます。
しかし、それが通用しなかったということは、相手はすでにあなたの得意技と得意な攻撃パターンを研究して対処法を身につけているか、あなたの攻防術との相性が悪いのです。
ですから、それに固執することは勝利ではなく敗北を意味します。

人はどうしても得意技や得意な攻撃パターンを多用します。
たとえそれによって勝利を積み重ねてきたとしても、いつの日かライバルによってあなたの長所は封じられます。

自分の頼みの綱の「得意技」と「得意な攻撃パターン」を捨ててもなお戦える手段があるか、それが「攻防の転換点」なのです。

《得意技や得意な攻撃パターンを捨てなくてもいい攻防とは?》

そんなことを言われても、得意技や得意な攻撃パターンが封じられたらどうやって闘ったらいいのかわからない、という方もいるでしょう。

得意技と得意な攻撃パターンを捨てずに済む方法もあります。
それは「変化」させること。
又は、「他の技やパターンと組み合わせた新しい攻防術」とすること。
このどちらかです。
これは要するに「応用能力」なのです。
武道初心者には少し難しいでしょう。
こうしたことは常日頃から考えていた者、普段から鍛錬してきた者にしか出来ないことです。

基本的なことを言います。
初心者がまず心掛けなければならないのは、「得意技をつくる」ことです。
ひとつの得意技ができたら磨きあげることは当然ですが、次には「第二の得意技」をつくることが必要です。
そして「第二の得意技」は秘策として取っておく(試合で簡単に見せない=出さない)のです。
つまり、得意技が封じられたとき(通用しなかったとき)のための「とっておき」として隠しておくのです。
なお、得意な攻撃パターンは複数持つことが必須です。
初心者の方は、自分の得意技から導いた得意な攻撃パターンをまずひとつ鍛錬し、さらに2つ目、そして3つ目と増やしていくことです。
その際に、同じような攻撃パターンではなく、他の攻撃パターンの弱点をカバーする攻撃パターンとすることが重要です。
つまり、同じような傾向を持たせない、ということです。
突きが得意な人でも突きだけの攻めではなく、蹴りも得意な攻撃パターンとして使用できるようになる、蹴りが得意な人でも突きでも仕留められる、そういった視点が重要です。

同じ攻撃技や攻撃パターンが二度通用しなかったら、攻撃技と攻撃パターンを変えることです。
ただし、これはいきなり試合でできることではないので、普段から試行錯誤して攻防戦を何重にも作り上げることです。

《自己中心的な戦い方を捨てる》

自分の得意技が決まって勝利する。
気持ちいいですよね!
しかし、いつまでも通用しません。
いままでは通用してけれども次の対戦相手には通用しないかもしれません。
なぜなら相手によって通用する有効な技や攻撃パターンは違うことがあるからです。

だからこそ、常に「相手の弱点を探す能力」が求められます。
相手の弱点を探すとは、逆に言えば相手の長所=得意技を知ることです。
光あるところには必ず影ができます。
長所の裏には短所が潜んでいるのです。
オールマイティーに万能な選手は非常に少ないものです。

この視点が持てないと勝利し続けることは難しくなります。
「攻防の転換点」は「勝敗の転換点」となるからです。

天動説ではなく地動説で考えなければいけないのです。
自分の好きな戦い方、得意技の多用、得意な攻撃パターンの繰り返しは自己中心的な戦い方なのです。
「自分」というものを中心とした戦い方なのです。
それを逆にするのです。
「相手に合わせてこちらが攻防を決める」とするのです。
それによって、戦い方は無限に広がっていきます。

簡単に言うと、相手の得意技を封じる戦い方を主流にし、相手の弱点や盲点を突く攻撃をすることです。
そのためには自分中心の発想ではだめなのです。

《まとめ》

人はどうしても「得意技」や「得意な攻撃パターン」を多用する。
自分の頼みの綱の「得意技」と「得意な攻撃パターン」を捨ててもなお戦える手段があるかが「攻防の転換点」。

得意技と得意な攻撃パターンを捨てずに済む方法は、「変化させて使う」または「他の技やパターンと組み合わせた新しい攻防術」とすること。
よって、「応用能力」を磨け!
第二、第三の得意技を秘策として取っておく(隠しておく)のも作戦のうち。
得意な攻撃パターンは複数持つことが必須。

相手によって通用する有効な技や攻撃パターンは違う。
常に「相手の弱点を探す能力」を磨くこと。
相手の弱点が分らなければ「相手の長所=得意技」を裏返して考えること。
自己中心的な戦い方ではなく、「相手に合わせてこちらが攻防を決める」とすれば、戦い方は無限に広がる。

攻防編17

『一度防がれた技や攻撃パターンは二度と使うな! 防がれなくても同じ技、攻撃パターンが二度通用しなかったら、攻撃技、攻撃パターンを変えろ! 相手によって通用する有効な技や攻撃パターンは違うもの。常に相手の弱点を探し、常に相手の得意な技と攻撃パターンを潰す(出させないことを考えて対戦しろ!』

押忍!

『攻防編18 ~攻撃即防御、防御即攻撃となれば無敵となる!~』

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