『対策編5 ~パワータイプの対戦相手への対処法~』
Pocket

勝利の秘訣【対策編】5

『パワータイプの相手は、力任せに攻めてくるので攻撃は単発になりがちだ。柳の木のように柔の動きで相手の攻撃を無力化しろ! かわせ! 避けろ! ステップだ!』

【解説】

《武術におけるパワーとは》

今回はパワータイプの選手対策です。

武術においてパワーとは?
ひとつは「体重」です。
体重の重い人の方が重い突きや蹴りを出せるという意味です。
ですから、体重が重いということは体重が軽い人よりもパワーがあるということを意味するのです。

もう一つが「筋肉」です。
体重だけがパワーの源ではありません。
ただ単に太っているだけの体重では‟重く”ても“遅い”のです。
体重よりもむしろ「筋肉」のほうが重い攻撃を出せると思っていいです。
また、筋肉は「スピード」にも関係します
ただし、むやみやたらと筋肉をつけることは動きが鈍くなるので要注意です。
どんな筋肉をつけるのか、ということが大切です。
逆に言うと使うための筋肉をつけるが、無駄な筋肉は付けない、ということです。

しかし、武術にはもう一つ「パワーを生むコツ」があります。
それは「腰を入れる」=「体重をのせる」です。
ただし、腰を入れるにしても体重をのせるにしても体重や筋力に勝っている方がパワーを出せることは間違いありません。
それでも中国武術のように女性でも男性を弾き飛ばすくらいのパワーを生むのが「腰を入れる」=「体重をのせる」なのです。

おそらく小兵の人(身体の小さい人、痩せている人)は、パワータイプを苦手としているはずです。
パワータイプの特徴は戦車のように突っ込んでくる、ということです。
人それぞれ持ち味が違い、持っている才能や気質が違いますから、身体の大きい選手がパワーを有利に使うことは当然のことです。

パワータイプの短所をあえて言うとするならば、「攻撃が単発になりがち」であり、「スピードが遅い」ということです。
ただし、初心者からみたらそうは見えないかもしれません。
それでも技と技の間(あいだ)の時間(間=ま)が空くことは間違いありません。

《パワータイプとの対戦を考える》

もし、あなたがパワータイプではなく、パワータイプの選手との対戦を苦手としているならが、今回の記事が参考になるでしょう。

パワータイプの選手によく見られる特徴は「防御が弱い」です。
力自慢で攻撃に自信があると、攻撃に集中するので防御がおろそかになりがちとなります。

ですから、攻撃をかわしつつ発生した隙を突いて攻撃(反撃)する、という闘い方が一つのセオリーです。
しかし、そのためには必須の条件があります。
それは「防御」が上手いことです。
この場合の防御とは、「避ける」「かわす(攻撃を)」「距離を取る」「間合いを外す」などの防御行動によって相手の攻撃を無力化することです。
パワータイプに多く見られる傾向は、攻撃したあと‟スタミナ切れ”です。
相手の攻撃をかわし、避け、間合いを外して疲れさせることができれば、必ず非力な者でも勝機は見えてきます。
その一瞬をとらえることです。

ポーカーフェイスを気取っていても、自分の攻撃がことごとくよけられたならば、戸惑うものです。
そうした意識は必ず行動の隙を生みます。
その一瞬をとらえて素早く反撃することです。
ですから、「強風を柳の木が受け流すように相手の攻撃を無力化する」ことです。

ただし、この考え方は試合形式によって通用する度合いが違いますのでご注意ください。

《相手の攻撃を無力化するために必須の動きとは?》

では、パワータイプの選手を翻弄し、反撃するために必須のものとは、なんでしょうか?
それは「俊敏な動き」です。
俊敏な動きを具体的に言うと、大前提が「ステップ」です。
ステップをふみながら相手の攻撃の間合いを外しながら接近されたら攻撃を俊敏に避ける(かわす)ことです。

ですから、ステップ技術を身につけて変幻自在に動き、臨機応変に相手の攻撃に対処することです。
ステップ技術は流派によって違いがあるでしょうが、他流派や他の武術の動きであってもどんどん取り入れるべきです。

ステップ技術を使いながら相手の攻撃を避ける際に注意することは、相手の体の一部に視線を集中させてはならないということです。
相手の身体全体を視界に入れながら、変化する部分に注目することです。

そうとうな集中力が必要なので、普段から集中力を鍛錬することが大切です。
防御の弱い選手は集中力が弱いのです。

もう一度言います。
相手の身体(動き)全体を視界に入れながら、変化する部分を瞬間的にとらえて対処することです。
これには「予測する能力」も必要です。
ただ、相手が動くのを確認してから動くのではなく、野生の動物のような「勘」で動くことが重要です。
集中力と野生の勘、そして素早い動き(ステップ技術)を身につけてパワータイプと闘ってください。

《まとめ》

武術においてパワーとは、「体重」と「筋肉」。
筋肉は「スピード」にも関係する。
もう一つの「パワーを生むコツ」は、「腰を入れる」=「体重をのせる」こと。
パワータイプの短所をあえて言えば「攻撃が単発になりがち」+「スピードが遅い」。
(ただし、初心者からはそう見えない)
スピードのある選手と比べると、技と技の間(あいだ)の時間(間=ま)が空くことは間違いない。

パワータイプの選手によく見られる特徴は「防御が弱い」。
その理由は、力自慢で攻撃に自信があるから攻撃に集中するので防御がおろそかになりがちとなるから。
なので、パワータイプの選手との対戦は、「攻撃をかわしつつ発生した隙を突いて攻撃(反撃)することがセオリー」。
そのための必須の条件が「避ける」「かわす(攻撃を)」「距離を取る」「間合いを外す」などの防御行動が上手いこと。
防御行動によって相手の攻撃を無力化すること。

パワータイプの選手を翻弄し、反撃するために必須のものは、「俊敏な動き」
「俊敏な動き」=「ステップ技術」。
ステップ技術を使いながら相手の攻撃を避ける際に相手の体の一部に視線を集中させてはならない。
相手の身体(動き)全体を視界に入れながら、変化する部分を瞬間的にとらえて対処する。
防御には野生動物のような「勘」=「予測する能力」も必要。

「強風を柳の木が受け流すように相手の攻撃を無力化する」

対策編5

『パワータイプの相手は、力任せに攻めてくるので攻撃は単発になりがちだ。柳の木のように柔の動きで相手の攻撃を無力化しろ! かわせ! 避けろ! ステップだ!』

押忍!

おすすめの記事