『攻防編9 ~追い込まれてもチャンスを見つける!~』
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勝利の秘訣【攻防編】9

『防御一辺倒になっては負ける。激しい攻めに防御しつつも、その中から攻撃のチャンスを見つける強い気持ちを持て』

【解説】

《自分よりも上手(強者)との戦いにおいて大切なこと》

今回は初心者から中級者、そして黒帯を取ったあたりの腕前の人が必ず通る“宿命”について語ります。

その宿命とは、「上手者、強者との対戦」です。
「上手者」とは、自分よりも経験が深く技の力量が上の者のこと。
「強者」とは、試合や組手において自分が勝てない(負けてしまう)実力を持っている者のこと。

トーナメント戦において最終的な勝利者は1名しかいません。
ですから、他の選手は必ずどこかで(誰かに)負けているのです。
それを裏返した言い方をすると、自分よりも上手者、強者と対戦した、ということです。
ですから、勝負(試合)をする以上、初心者や中級者ではなくとも必ず通る道といえるでしょう。

上手者、強者との戦いは困難を極めます。
ともすれば心が折れそうになります。
圧倒的な力量の差を見せつけられて途中で試合を投げ出す(諦める)人もいます。

しかし、それではその後の成長は進みません。
たとえそのときの試合では完膚なきまでの敗北を味わったとしても、その後強くなるためには必要なことがあります。
それはたとえかなわないとわかっている相手との対戦でも「心を強く持つ」、ということです。

重要なことは、激しく攻め込まれたり、こちらの攻撃がひとつも相手に通じなかったり、ポイントで圧倒的な差をつけられたりしたときの「心のあり方」です。
上手者、強者との勝ちが見えない対戦において、どのように精神を保つのか、ということです。

これは精神論でもありますが、この内容が【攻防編】であることを理解してください。
この内容は【心得】ではありません。
攻防における技術論であり、攻防における勝利の方法です。

では、上手者や強者との対戦においてどのようにすればいいのか?というと、なによりも「防御一辺倒にならない」ことです。
「隙あれば攻撃する(反撃する)」と必死になって思うことです。

先輩や実力者との対戦でスピード、技術などで差があり過ぎてとても対応できない、という体験をほとんどの人がしているでしょう。
それでも自分が上手くなりたい、強くなりたいのならば、防御一辺倒(防御ばかりにならない)とならないことが重要なのです。

《実力では負けても精神は屈するな!》

明らかに実力の差があれば、諦めたくもなるでしょう。

試合を投げ出したくもなるでしょう。
ですが、そうした試合をする選手はおしなべてその後、成長しません。
優勝などをする選手に必ず共通する要素は「強烈な負けず嫌い」なのです。
負けることが悔しくて悔しくて仕方がないと思うのです。
「負けたくない」「勝ちたい」と強く願っている選手が優勝や上位になるという法則とも呼べる現象が現れるのです。
もちろん世界大会などの大きな舞台では、負けず嫌いが大勢集まりますから、それだけで勝てるわけではありません。

武術(武道)初心者や中級者が心掛けるべきは「防御しつつも強い気持ちを持つ」ことです。
「防御しつつも強い気持ちを持つ」ということは単なる精神論ではないのです。

上手者、強者との対戦で激しく攻められたときに「強い気持ちを発揮できるかどうか」が、活路や逆転(あるいは反撃)を呼び込むことになります。
逆に言うと、それなくば反撃さえ出来ずにぶちのめされて終ります。
負けた事実が重くのしかかります。
その負けとは技量的、パワー的な負けではなく、「精神が屈したという負け」になります。
精神が屈した負けを経験すると、それがトラウマや自信喪失につながります。
当然、勝利への執着(憧れ)も減退します。
よって、練習にも身が入らなくなります。
そして「やっぱり俺は(私は)負けた(弱いんだ)」となります。
ですから、たとえその試合で負けたとしても「精神まで負けない」ことが非常に重要なのです。

これはその後の成長だけの意味ではありません。

《負けを悟りつつも蜂の一刺しを狙う》

試合内容では負けても、実力では勝てなくても、それでも「精神まで負けない」ことは攻防論としても重要なのです。

その理由は、防御一辺倒にならず相手の動きを必死になって読む、感じるときに「一瞬のチャンス」が見つかることがあるからです。

しかし、精神で負けた者にはこの「一瞬のチャンス」は見えません。
「チャンスの女神は前髪しかない」という諺がありますが、武術においては「チャンスとは諦めない者に与えられる」と言うことができます。

上手者、強者の攻撃に防御しつつも、その激しい攻防の中で、ほんの一瞬だけ生まれる隙やチャンスを見つけるには、「負けるか~!」と強い気持ちを維持することです。
第三者からみれば“やられている”と見えし状況の中でも、相手の動きをしっかりと捉えようとすること、反撃(攻撃)するタイミング、技の選定、隙のある箇所を模索する者にはチャンスが与えられることがあるのです。

要するに、どんなに激しく攻めこまれても、どんなにあがいてみても試合結果が負けであっても、「このままでは終わらない」「せめて蜂の一刺しをお見舞いする」と思っている者には反撃が可能になるのです。
そういう意味で今回の内容は攻防編なのです。

精神論のようでありますが、攻防における技術のひとつなのです。
試合内容では負けても、攻め込まれ続けても、「チャンスを見つけて反撃する」そう念じることです!

《まとめ》

武術者にとっての宿命とは「上手者、強者との対戦」。
上手者や強者との対戦においてどのようにすればいいのか?というと、なによりも「防御一辺倒にならない」こと。
「隙あれば攻撃する(反撃する)」と必死になって思う。

「負けたくない」「勝ちたい」と強く願っている選手が優勝や上位になるという法則。
優勝する選手に必ず共通する要素は「強烈な負けず嫌い」。
武術(武道)初心者や中級者が心掛けるべきは「防御しつつも強い気持ちを持つ」こと。
強い気持ちを発揮できれば活路や逆転(あるいは反撃)を呼び込める。
精神が屈した負けを経験すると、それがトラウマや自信喪失につながりやすい。

試合内容では負けても、実力では勝てなくても、それでも「精神まで負けない」ことが攻防論。
武術において「チャンスとは諦めない者に与えられる」。
どんなに激しく攻めこまれても、どんなにあがいてみても試合結果が負けであっても、「このままでは終わらない」「せめて蜂の一刺しをお見舞いする」と思っている者には反撃が可能になる。
試合内容では負けても、攻め込まれ続けても、「チャンスを見つけて反撃する」そう念じること。
それが攻防における技術論であり、攻防における勝利の方法。

攻防編9

『防御一辺倒になっては負ける。激しい攻めに防御しつつも、その中から攻撃のチャンスを見つける強い気持ちを持て』

押忍!

『攻防編10 ~「動」と「静」をあわせ持つ者は最強となる!~』

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