
勝利の秘訣【試合編】1
『試合の緊張を打ち消すのは、最大限の努力をしてきた自信だ。試合前には入念な柔軟をして体と気持ちをほぐせ。開始の合図とともに度胸を決めろ!』
【解説】
《試合における最大の敵》
初めての試合、緊張しますよね!
人によっては、ガチガチになってしまい、足が震えて頭の中が真っ白になる人もいるようです。
その反対に、「やったろか~!」と威勢のいい人も稀にいますが、実はそのように見えるだけで、ほとんどハッタリです。
そういう人は不安を心の底で感じているのです。
だからそれを打ち消したくて自分で自分を鼓舞しているのです。
さて、試合に出るからには勝利したいですよね。
勝利するためには、自分が持っている実力を最大限に発揮する必要がありますね。
ですが、それを邪魔する“あるもの”があります。
それは「緊張」です。
少しくらいの緊張感は良い刺激となりますが、緊張し過ぎると実力を発揮することができません。
自分の持っている実力を発揮できずに負けたら、悔しいですよね!
では、どうしたらいいのか?
ということが今回のテーマです。
試合の勝利を妨げる最初の敵は「緊張」であり、最大の敵も「緊張」なのです。

《試合に向けて最大限の努力をする=自信をつける》
まず一番重要なことを言います。
これは初心者に限ったことではありませんが、試合に向けて「自分が今できる最大限の努力(稽古)をする」ということに尽きます。
少しでも手を抜けば、少しでも自分に甘く練習してしまえば、少しでも楽な稽古をしてしまえば、試合後に必ず後悔します。
その場合、たとえ勝っても後悔します。
言われてみれば簡単なことですが、それが分らない人がいるのです。
そして、試合後に後悔するのです。
人には才能、身体能力の違い、練習環境などが違いますから、いったいどれだけのことをすればいいのか、ということは人それぞれです。
ですが、いま考えられることをすべて行う、よそ見をせず、他のことに気を取られず一意専心して稽古に励む、それができなければ、試合で負けても「悔しい」と言うな!
ということです。
自分が出来る最大限の努力をしてきた人になにが起こるか?
それは「やるだけのことはやった」という努力に対しての自信と「これで負けても仕方がない」という無執着の気持ちになるのです。
これが大事です。
この「自分に対する自信」と「悔いのない心境」が「緊張」を大きく和らげます。
結果的にそれが勝利へとつながることが多いものです。
ですが、自分が手を抜いた練習をしてきたことを一番分かっているのは自分ですから、そうした人ほど試合で緊張してしまいます。
または焦ってしまいます。
なぜなら、不安だからです。
試合までの期間、いま自分ができる最大限の努力をしてきたかどうかは非常に重要なことなのです。
これが試合前日までのことです。
《試合当日、試合直前で重要なことは「念入りな柔軟」》
では、試合当日、試合会場に入ってから何が大切なのか?
今回のテーマは「緊張」です。
心の「緊張」をほぐすにはまず体の緊張をほぐすことが大切です。
試合前には必ず念入りに柔軟・ストレッチを行います。
息を吐きながら呼吸を整えます。
念入りに身体を柔らかくすることで、心もほぐれていきます。
身体と心は色心不二といってお互いに連鎖しているものです。
体のほぐれは心のほぐれにつながり、心の緊張は体を固くします。
それと、柔軟をすることでケガの防止にもつながります。
初心者の人は会場の雰囲気と他の選手のオーラに飲まれてしまいます。
他のことに意識を散らさずに、自分の身体を戦える状態にするために入念に柔軟をおこなってください。
柔軟をしながら、体を戦える状態にしながら同時に精神を落ち着かせるのです。
会場の設置の手伝いや試合以外にやることがあるかもしれませんが、必ず柔軟をする時間を設けてください。
それが「緊張」をほぐす大切なことです。

《試合直前は「覚悟」を決めろ!》
試合まで最大限の努力をしてきた。
試合前に入念に柔軟をした。
そろそろ自分の試合が始まる。
そう思うと緊張しますよね。
この場面でのアドバイスは、一つしかありません。
「覚悟を決めろ!」
名前を呼ばれたら、スイッチを入れるのです。
その瞬間に「気合」を注入してください。
あまり早く気合を入れてしまうと、気合の消耗が起きてしまいますから、試合が始まるまでは「静かに闘志を心の中で燃やす」でいいのです。
そして、いよいよ自分の出番、名前を呼ばれて試合空間に入ったそのときに全身全霊の気合を入れるのです。
もう逃げも隠れも出来ません。
度胸を決めて全身全霊で闘気を放つのです。
このときに相手のことを気にしないことです。
「強そうだな」とか「勝てるかな」などという試合結果にかんすることは考えないことです。
ただただ、自分の闘志を燃やすことに全力であることです。
ただただ、いままでやってきた苦しい稽古の成果を出すことに集中することです。
それで負けても悔いはほぼないでしょう。
課題を探し、反省し、次の稽古に励むのです。
緊張に打ち勝ち、無心で闘う者には「闘いの神」が舞い降りることがあります。
自分の実力以上の力が発揮できるときがあります。
それを体験してください。

《まとめ》
武術初心者にとって勝利を遠ざける最初の敵は「緊張」であり、最大の敵も「緊張」。
試合に向けて最大限の努力(稽古)をすることが、試合前にできる最大の「緊張しないため」の対策。
いまできる最大限の努力は、自信を生み出し、その自信を実感できれば緊張に打ち勝つことができる。
「やるだけのことはやった」という努力に対しての自信と「これで負けても仕方がない」という無執着の気持ちが試合の緊張を溶かしていく。
心の「緊張」をほぐすにはまず体の緊張を念入りな柔軟によってほぐせ。
柔軟をしながら、体を戦える状態にしながら同時に精神を落ち着かせる。
試合が始まる、さあ「覚悟を決めろ!」
スイッチを入れろ!
気合をだせ!
闘魂注入だ!
緊張に打ち勝ち、無心で闘う者には「闘いの神」が舞い降りる!

試合編1
『試合の緊張を打ち消すのは、最大限の努力をしてきた自信だ。試合前には入念な柔軟をして体と気持ちをほぐせ。開始の合図とともに度胸を決めろ!』
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