『攻防編13 ~騙し技で相手を翻弄し、狙い通りに決め技で仕留める!~』
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勝利の秘訣【攻防編】13

『闘いは騙しあい。仕掛け技を二重三重に繰り出し。相手を翻弄して、罠にはめろ! 相手を混乱させたあげく、狙っていた技を繰り出し、とどめを刺せ!』

【解説】

《補足説明》

今回の話は「戦術(作戦)」に関することです。
戦術はその人によって様々にあり、その状況によって様々な展開を見せることなので、具体的に「こうだ!」とは申しません。
ですから抽象的な表現で伝えます。
具体的には各人が自分の能力と特徴、及び所属する流派の試合ルールに基づいて判断することがベストです。

《闘いは騙し合い》

武術における流儀は「闘い(試合)は騙し合いである」ということを肝の銘じることです。
騙し合いとは「自分が繰り出す技を相手に見破られない」「こちらの作戦を見破られない」ということです。

初心者と上級者の違いは「手が読めるかどうか」ということです。
初心者の動きは単純な場合が多く、予備動作がついていたりして動きが読まれてしまいます。
しかし、上級者となると本当の狙いが分らないような動き(戦術)を取ります。
これが初心者から上級者への道のりで肝心なこところです。

騙し合い=こちらの技や作戦を見破られないためにはどうすればいいのか?
答えは、「仕掛け」です。
仕掛け技を二重三重に構成することです。

仕掛けの主なものとは、「フェイント」「捨て技」「惑わしの動き」などです。
「惑わしの動き」には、目線なども含まれます。
目線を意図的に下、または上に向けることでこちらの注意がそこに注視しているように見せかけることで相手を誤解させ、違う目的に誘い込む。
簡単に言えば、「騙し技(動き)」をひとつではなく、二重三重にした戦術を取る、ということです。

《勝利するためには力量だけでは不足》

武術において「騙し技」は卑怯なことではありません。
闘いの本質には「騙し合い」があるからです。
真っ正直な人の中には抵抗感があるかもしれません。
しかし、相手が騙し技を繰り出すのに、こちらが真っ正直な技の出し方しかしなければ、もっている潜在能力が同じであっても敗れることになるでしょう。
攻防のゆくえは単に能力やパワーなどの力量だけで決まるものではないのです。
「試合運び」と言われる技術も必要なのです。
そうした闘いにおける本能的な能力を発揮する人も多いですが、真面目なタイプの人、真っ正直なタイプの人はその点で損をしています。
それが実力はあるはずなのになぜか勝利できない理由の一つなのです。

仕掛け技を二重三重にする目的は「相手を翻弄する」ことです。
こちらの意図を読まれないようにすることです。
「こちらの考えていることは読まれずに相手の考えを見抜く」、これが兵法の極意です。
しかし、こちらの動きを読まれないようにしようとしても、既に研究されている人の場合、動きが予想されている可能性があります。

さすればどうするのか?
方法は主に2つ。
「それを逆手に取る」か「騙し技(動き)を複数用意する」か、です。
相手をこちらの罠にはめるくらいのことを考えてください。
ただし、陳腐な“騙し”は逆に見抜かれて逆襲にあいますので注意が必要です。

《すべては「決め技」のため》

何のために騙し技を使うのか?
それはある一点に集中します。
「決め技」を決める為です。
狙い通りの決め技(得意技)で相手を仕留めるためです。
騙し技(動き)とは物語の伏線でしかありません。

初心者の初心者たるゆえんは、いきなり決め技を繰り出すことです。
技のバリエーションや様々な闘い方を身につけていないため仕方がないことですが、それでは基本練習の王様、試合の奴隷となってしまいます。

ビジネスの世界ではよく「逆算」ということが言われます。
実は武術にもそれはある程度共通しています。
「騙し技で相手を翻弄し、狙っていた得意技でとどめをさす」
これは「逆算の戦闘術」なのです。

ですから、決め技から闘い方の発想をスタートさせて、決め技に到るための道筋を描くことです。
ただし、いきなり試合でそんなことをすることは不可能なので、普段の練習から逆算して動きの練習をすることです。
どう運んでいけば自分の決め技にたどり着くのかを各人がそれぞれ研究し、身体に染み込ませるくらいに練習することです。

基本的に、緊張している試合においては「身体に染み込んだ動き」しか出てきません。
ですから、試合では無意識に動けるように繰り返し練習し、意識しなくてもその動きがでる状態に仕上げることです。
「戦術は逆算」ということを肝に銘じてください。

《まとめ》

武術における流儀とは「闘い(試合)は騙し合い」。
騙し合いとは「自分が繰り出す技を相手に見破られない」「こちらの作戦を見破られない」。
こちらの技や作戦を見破られないためには「仕掛け技」を二重三重に構成すること。
仕掛けの主なものは「フェイント」「捨て技」「惑わしの動き」。

闘いの本質には「騙し合い」がある。
攻防のゆくえは単に能力やパワーなどの力量だけで決まるものではない。
闘いには「試合運び」と言われる技術も必要。
仕掛け技を二重三重にする目的は「相手を翻弄する」こと。
「こちらの考えていることは読まれずに相手の考えを見抜く」、これが兵法の極意。
すでに研究されていたり予測されていた場合、「それを逆手に取る」か「騙し技(動き)を複数用意する」。

何のために騙し技を使うのか?
「決め技」を決める為
狙い通りの決め技(得意技)で相手を仕留めるため。
「騙し技で相手を翻弄し、狙っていた得意技でとどめをさす」=「逆算の戦闘術」。
決め技から闘い方の発想をスタートさせて、決め技に到るための道筋を描く。
そのために普段の練習から逆算して動きの練習をする。
緊張している試合においては「身体に染み込んだ動き」しか出てこない。
試合で無意識に動けるように繰り返し練習し、意識しなくてもその動きがでる状態に仕上げる。
「戦術は逆算」

攻防編13

『闘いは騙しあい。仕掛け技を二重三重に繰り出し。相手を翻弄して、罠にはめろ! 相手を混乱させたあげく、狙っていた技を繰り出し、とどめを刺せ!』

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