『勝負編３　～「タイミング」こそ、勝負の要！～』

2021年7月25日

tsubasa

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勝利の秘訣【勝負編】３

『技を繰り出すタイミングこそ勝負の要。相手の気配を読め！　一瞬のチャンスを見逃さずに技を繰り出せ！』

【解説】

《タイミングこそ勝負の要》

武術、格闘技においては「相手を倒す」ということが勝利となります。
もちろん、「相手を倒す」の裏返しである「倒されない」という防御も同時に存在しています。
ですが、防御ばかりでは、勝利は得られません。
慎重すぎては勝利の“時”を逃してしまいます。

勝負（闘い）とは、駆け引きであり、相手との騙し合いです。
勝利をつかむためには、パワーだけでは足りず、技の優劣だけでも足りません。

勝利を生み出す肝心要は、実は「タイミング」です。

つまり、「攻撃を仕掛けるタイミング」が最も有効な瞬間をとらえることが勝利をつかむ要なのです。

〈攻撃を仕掛けるタイミングとは？〉

攻撃を仕掛けるタイミングにはさまざまな状況があります。

１．相手の隙を捉えたタイミング
２．フェイントの後のタイミング
３．相手が攻撃してきたときに生れる隙をつくタイミング
４．混戦状態で生まれる刹那の瞬間のタイミング

「相手の隙を捉えたタイミング」とは、試合中に、ほんの一瞬だけ相手の気が緩んだ瞬間や迷っている瞬間のことです。
つまり、相手が無防備になったほんのわずかな瞬間に攻撃を仕掛けるということです。
（必ずあるとは限らないし、あってもほんの一瞬でしかありません）

「フェイントの後のタイミング」とは、文字通りこちらがフェイントなどを行って相手の態勢を崩したときに生じる瞬間のことです。
つまり、こちらが意図的に攻撃する瞬間を作り出すということです。

「相手が攻撃してきたときに生れる隙をつくタイミング」とは、相手から攻撃を仕掛けたときに姿勢のどこか（身体の全体から見たときの部分的などこか）に隙（＝攻撃できる箇所）が生まれます。
これを一般的には「カウンター」といいます。
基本的に防御姿勢を取っている相手に隙はほぼないと思ってください。
隙が生まれる瞬間とは、相手が攻撃に入った瞬間です。

「混戦状態で生まれる刹那の瞬間のタイミング」とは、相手との連続した攻防の中では、隙がどこかに生れます。
動いているということは、どこかに隙が生まれるのです。
ですが、攻防の最中に相手の隙を見つけるのは至難の業です。
武術初心者には難易度が高いことですが、覚えておいてください。
激しい攻防の最中に生れる隙が発生した瞬間が勝利をつかむタイミングです。

《相手の気配を読む》

結局、勝利するためには「勝機」を見出さねばならないのです。

それはこちらが積極的に作り出した勝機と相手のミスや油断によって生まれる勝機と２種類ありますが、いずれにしても「攻撃するタイミング＝勝利の要」であることは間違いありません。

そのためには「相手の気配を読む」ことが必須です。

相手の息づかい、手足の動き、オーラ、相手の目線などを中心とした表情、そして相手の心理を読むことが必須です。
それらを読むことなくして勝利のタイミングを見つけ出すことは無理です。
ですから、相手の気配を全身の神経で感じ取ることです。

《チャンスは一瞬》

いずれにしても「チャンスは一瞬」です。
チャンスの女神には後ろ髪はありません。
勝利するためには「一瞬のタイミングをつかむ」ことです。

初心者にとって大切なことを述べると、「相手の気配を読む」「攻撃するタイミングをつかむ」という技術は基本練習では身につきません。
実際に相手と相対する練習をしなければなりません。
それもいろいろなタイプの相手とする必要があります。
また、特定の対戦相手を想定しているのならば、その特定の対戦相手と同じタイプと繰り返し相対する練習（具体的には組手等）をすることです。

技を出し合わなくても、お互いが相対して相手の息づかいを感じる練習は入門したその日からできます。
技をだすことよりも数倍、数十倍難しいことが、「攻撃するタイミングをつかむこと」なのです。
逆に言えば、的確に攻撃するタイミングを見出す者は勝利すると言えます。
それほど「タイミング」とは、重要な勝利のための要なのです。